こんにちは、初のブログ投稿になります、DEAN & DELUCA博多店の齊藤です。よろしくお願いします!
ようやく暑い夏が過ぎ、凉やかな風を感じられる秋らしい季節になりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。やっと秋らしくなった11月の福岡エリアのテーマは「熊本」。まだまだ残暑が続いていた9月下旬にシェフやメンバーと一緒に、熊本県八代市へ訪問いたしました。
八代市は、九州では「やっちろ」と親しみやすく呼ばれ、熊本県南部に位置し、球磨川や八代海に面した自然豊かな地域。数あるつくり手の中から、今回もまた素敵な出会いがありましたのでレポートさせていただきます。
最初に向かったのは八代市千丁町の『カネムマンソーセージ』。
元フレンチのソムリエでもあった村上さんがつくる、八代では史上初の手づくりソーセージ・ベーコン・ハム。様々な種類のベーコンやロースハム、ソーセージをこだわりぬいた独自の製法で生産されています。その製法は、手間がかかるのなんの… 塩漬けにして8時間の熟成をさせることで旨みを出し、塩水につけて成型。その後に、4時間の燻製。なるべく、ソーセージから水分を抜き何時間もかけてじっくりと燻製することで更にお肉の旨みを引き出すのだそう。その水分を抜くという作業は重要で、水分が残っていると味がうまく決まらず、燻製が進まない。そんな工程をひとりで行なっているので、もちろん製造数は限られてしまうとか。
村上さんご自身はなんでも新しいことに挑戦し、発信をして「八代市を盛り上げていきたい!」と力強くお話されていました。「八代といえば、ハムがある!」という認知をしてもらえるよう、八代の名産品として広げていきたいし、八代の食材とたくさんコラボレーションして、地元の味をもっと知ってもらいたい、と。
コロナ渦でソーセージやハムの製造をおひとりで立ち上げ始め、ここまでお肉と丁寧に向き合い、地域に広め、地域の活性化へ繋げようとしている村上さんに感銘を受けました。
そんな『カネムマンソーセージ』を後にして、向かったのは八代市鏡町『たかきのバナナ』に。
『たかきのバナナ』でつくられるバナナは、八代市で育った、農薬・化学肥料栽培期中不使用の国産バナナ。ビニールハウスの中で栽培されており、その迫力と力強い樹木根と大きな葉がとても印象的でした。
毎年6月~9月に収穫。一般的な海外産のバナナに比べて、酸味が少なく甘みが強く感じられ、香りが強いのが特徴。皮が薄いため、傷みやすく割れやすいのですがしっかりと酸味と甘みのバランスがあります。
土づくりにもこだわり、自社生産米のもみ穀や米ぬかをベースとしたものに牛糞、八代市内のコーヒー屋さんからコーヒー粕を分けてもらって、肥料としても活用しているという、まさにSDGsを実現されていました。
迫力ある大きなバナナの葉っぱも、蒸し料理やお皿として活用。昨今の温暖化で日本もバナナ栽培に適してきているとのこと。お客様へお届けの際は、届いたときにはちょうど食べごろになるように、お送りするときは青い状態で発送するそうです。小さな気遣いとサスティナブルで安心安全な農産物生産、人にも環境にも優しいバナナ。笑顔が素敵な高木さんの思いが詰まったバナナを、皆さまにもお届けしたいなと強く感じました。
続いて向かったのが、八代市郡築十一番町にある『宮本農園』。
まず、お邪魔したビニールハウスの大きさに驚愕!天井が高いオランダハウス(鉄骨が丈夫で天井が高い、大規模なハウスのこと)では、温度湿度が自動で調整できる機能が備えられています。宮本さんは、消費者の方へ安全で安心な農産物を提供できるように、国際的に認められた機関GLOBALG.A.P.(グローバルギャップ)を所得。1.6ヘクタールの畑のうち、1.2ヘクタールは大玉トマト、残りはミニトマトを栽培しています。果肉が大きく、皮が薄いのが特徴。こだわりは、トマトをストレスフリーにすること。一般的には、トマトにストレスを与えて甘くする育て方をするそうですが、宮本さんはトマト本来の甘みを引き出すように敢えてストレスフリーで育てているとのこと。そのおかげで、普通トマトの糖度が4~5度のところ、宮本さんのトマトは5~6度の甘いトマトに仕上がるというわけです。
オランダハウスでは、保温機能もあり、冬でも収穫可能。宮本さん曰く、トマトが美味しいのは2月。「とにかく、八代トマトといえば、うまい!をひとりでも多く広めていき、八代を盛り上げていきたい!」と地域への熱い思いを語ってくれました。
最後に向かったのは、八代市鏡町『ひらやま』へ。
車で近づくにつれて、丸いドーム状の大きな水槽ハウスが何個も広がっていました。代表の平山さんにお出迎えしていただき目にしたのは、海上でなく陸上養殖による「桃太郎サーモン」がそこにはたくさん泳いでいました。立地に制限がなく海や川などから離れた内陸部でも海水魚の陸上養殖を行うことができ、赤潮や病原体侵入の恐れの心配がないのが特徴。天然地下水で育てるため、赤潮の被害もなく虫も入らず安心で安全、稚魚のときから餌に乳酸菌を混ぜて与えることにより、甘みと旨みがありかつ臭みのないおいしいサーモンをつくることが可能。また、魚の生育に適した環境と沈殿物の集積の為に、渦の水流を発生させるそう。
このような環境下で育ったサーモンは「桃太郎サーモン」として九州の地元飲食店、大手スーパーや大手外資系ホテルなどでも取り扱われています。国内流通なので貴重な未冷凍の サーモンとして生食で食べることが可能だという優れもの。DDでは、どんなお料理にしようか… シェフがたのしそうに構想しておりました!
サーモンと言えば海外産のイメージが大きいですが、平山さんも八代市の盛り上げに最大限に尽力されており、サーモンにかける思いや陸上養殖のこだわり、そして「八代から世界へ」という熱く勢いの良い言葉がとても印象的でした。
今回、八代市を訪ねて感じたことは「地元への愛」「地元の誇り」。
私は関東出身のため、このように産地に出向き、つくり手の熱い思いを直接聞き、実っているこだわりの作物をみるのも新鮮!九州という生産地ならではの経験ができることに感謝するとともに、地域活性化に前向きにチャレンジしているつくり手の姿に感動しました。
11月の福岡店と博多店では、そんな熊本の旬の食材を使ったお料理やベーカリー、加工品などが店頭に並びます。
今回出会ったつくり手の食材を使って、シェフたちがとても素敵な商品を考案してくれました。熊本の魅力が詰まったうまかもんがたくさん出揃う1ヶ月間、皆さまには熊本の自然が漂ううまかもんをたっぷりと五感で体験していただきたいと思います。商品についてはメンバーが丁寧に説明させていただきますので、お気軽にお声掛けくださいね!ぜひお店でお待ちしております。
熊本ブログバックナンバーもぜひおたのしみください。
https://lig.deandeluca.co.jp/blogs/350929a30594
https://lig.deandeluca.co.jp/blogs/1745c9383f75
