こんにちは、DEAN & DELUCA 福岡店の井本です。
大型連休が明け、爽やかな風が心地よく気持ちの良い季節になってきましたね。そんな初夏を感じる6月のDEAN & DELUCA福岡エリアのテーマは、毎年大人気の「GREEN OF ITOSHIMA」。どこかへふらっとお出かけしたくなるこの季節にぴったりの糸島は、近年「糸島ブランド」と呼ばれるように豊かな山と海に育まれた食材の宝庫で有名なのです。
今年もまたこの季節に新たな糸島の魅力に迫るべく、大型連休前のまだ少し肌寒かった頃にシェフ達と糸島を巡ってきましたのでご紹介します。

まず向かったのは、糸島に行くなら絶対に寄りたい!と懇願させてもらった、糸島市波多江にある『伊都菜彩(いとさいさい)』へ。
itosaisai.png 1.98 MBここは地元の特産品の直売所で、お野菜はもちろん、フルーツや、糸島天然真鯛、糸島牛、糸島豚、飲むヨーグルトで御馴染みの『伊都物語』や、鯛めしなどのお惣菜や加工品などなど。ここに来れば間違いナシ!糸島のおいしいものがなんでも手に入る、糸島の恵みが凝縮された場所となっています。朝イチから新鮮な野菜がどんどん売れて、農家の方々が裏からどんどん補充する、というような光景もあり朝採れの鮮度抜群の野菜が回転良く売れていました。
店内は撮影NGだったのでお伝えできないのが残念ですが、私が購入した野菜をご紹介。朝採れほうれん草がなんと100円!ずっしりと大きく重たいキャベツが170円!なんとも鮮度がよく、家計にも優しい価格なのは直売所ならでは。地産地消のありがたさを実感でき、生産者の方々の想いがダイレクトに届くこの場所は、遠方から料理人たちが押し寄せるほど… お買い物の場を超えた地域をつなぐ大切な拠点だと改めて感じました。

新鮮な野菜たちを手に入れて次に向かったのは、糸島市前原の『奥添製パン』。
パン店外.jpg 1.3 MB大きな窓ガラスから素敵なパンがズラリと見えて車内のテンションもあがったところで早速店内へ。まず目に入ったのは生地を捏ねる大きな作業台。つくっているところが見えるのってたのしいですよね。ここでお店の方とコミュニケーションをとりながらパンを選べるのもお店の魅力のひとつです。
こちらではバゲットやカンパーニュなどハード系パンのみをつくっており、店内も芳ばしい香りが漂っていました。こちらでつくるパンは小麦・塩・水だけのシンプルなもの。シンプルだからこそ使用している材料ひとつひとつにこだわり、自らが尊敬する生産者が育てた小麦を、信頼する製粉所でひいてもらっているとのこと。
きじ.jpg 1.31 MBパン店内.jpg 2.24 MBメニューは基本6種類で、商品POPにはパンの説明と原材料が丁寧に記されており、こだわりが詰まった味わいであることが文字からも伝わります。注文に合わせてハーフサイズや1/4サイズにもカットしてもらえるので数種類を少しずつ試せるのも嬉しいポイント。
早速車内でバケットをひとくちパクリ。見た目からも生地のバリバリ感が感じられるバケットは、噛みしめるごとにサワードゥの柔らかな酸味が口いっぱいに広がります。シンプルをこだわった『奥添製パン』は、ハード系パンが好きな方におすすめしたい糸島を代表するパン屋さんです。

そして、小麦の香りに癒されて次に向かったのは糸島市芥屋にある『柴田園芸』へ。
パプリカ黄色.jpg 1.49 MB柴田園芸では赤、黄、オレンジの3種類のパプリカを栽培しています。この日も、まだ緑色の小さめのものから黄色が混ざり始めたもの、そして完熟を迎えた大ぶりの赤色まで、成長の過程の鮮やかなグラデーションが印象的でした。パプリカは温かい地域を好むため九州では宮崎県での生産が盛んだそうで。柴田さんもパプリカを育てるにあたって、宮崎県の生産者の元へ勉強をしに行ったほど。
柴田園芸.png 2.78 MB育てるうえで大切なのは、温度管理と柴田さん。冬でもハウスの中を27℃以上に暖かくし、暑すぎると枯れてしまうので夏はハウスに遮光ネットを張り、冬は暖房をつけてパプリカが過ごしやすいように。
しかし、冬場に27℃以上をキープするというのはパプリカにとってまさに理想の環境ですが、温度の維持には並々ならぬコストと細やかな配慮が必要。気温が氷点下近くになることもある冬場に、温度を維持するためには暖房をフル稼働させ、パプリカが寒さで成長を止めないようにと、丁寧にエネルギーを注いでいる様子が想像でき、柴田さんの努力に脱帽でした。
また、ハウスがある芥屋という町の近くには佐賀競馬があるのですが、競走馬の馬糞を使った堆肥を肥料にしているとのこと。質のよいエサを食べて健康に育った競走馬から生まれた堆肥は微生物が豊富で栄養もあり、地域の資源を活かした土づくりもまたおいしさの秘訣。あのパプリカのつやつやした輝きは、一年中徹底された温度管理とパプリカへの愛情があるからこそであり、柴田さんの努力と熱い想いが旨みの詰まった味の決め手なのだと感じました。

ここで待ちに待ったお昼ごはん。『ゴハンヤ イタル』へ向かいました。
ひるごはん.png 2.16 MB糸島市志摩芥屋に工房を構える「またいちの塩」で有名な『新三郎商店』が運営するお食事処。古民家風の落ち着いた空間に癒されながら、「またいちの塩」を使い素材の味を丁寧に引き出した御膳をいただきました。テーブルには様々なフレーバーのお塩が置かれていて、自由に使用できるという贅沢さ。少しずつ試すと、塩ひとつでこんなに素材の甘みが変わるのか!と皆でたのしみながらお食事がでました。

お腹がいっぱいになったところで、次に向かったのは糸島市雷山地区でアスパラガスを育てている『いとゆたか農園』へ。
にょきにょき.jpg 2.56 MBハウスに入った瞬間、地面いっぱいにニョキニョキと伸びているアスパラガスが目に映ります。
アスパラガスには、3月〜5月頃の春芽と、6月〜9月頃の夏芽の2つの旬があります。春芽は甘みが強いのが特徴で、寒暖差に耐えてゆっくり成長するため、身がぎゅっと詰まっていて太いものが多く、夏芽は瑞々しくアスパラガスらしい青々とした爽やかな味わいが特徴で、夏の強い日差しを浴びてぐんぐん成長するため、さっぱりとした後味とシャキシャキとした食感が魅力。「自分が食べたいものを自分で育てて、好きなだけ食べたい!」と元気よくおっしゃっていたのが印象的でとても笑顔の素敵な畑主の寺田さん。
ゆたかさん.jpg 1.88 MBこだわりのポイントを伺うと「土づくり」と「水分量」。土の肥料には地元の有機物を使用。糸島牛の牛糞は土をとってもサラサラにしてくれ、糸島の木くずや糸島の牡蠣殻、蟹殻も使用し、糸島の栄養とミネラルをたっぷり含んだ土をつくっています。サラサラの土で通気性と排水性をよくすることで根がのびのびと育ち、海のミネラルが凝縮した旨みをつくりだしています。
味を決めるのはなんとその後、出荷した後も重要だと。収穫したら根元に水をつけ、花のように水に浸かったまま市場に。しかし、水につけすぎると味がぼやけてしまうので実際に自分で食べて、出荷時は手作業で袋詰めして出すことにこだわっているんだそう。そのひと手間が『いとゆたか農園』のアスパラガスが選ばれる理由そのものだと感じました。寺田さんの「自分が食べたいものを届けたい!」という食に対する強い想いもまたアスパラガスの味の魅力のひとつだと思います。

次に向かったのは糸島市多久『つばめ農園』へ。
こちらでは農薬不使用の自然栽培で体に優しいオーガニック野菜をつくっています。この日はあいにくの雨でしたが、畑主の山内さんにお話を伺うことができました。
つばめラディッシュ.png 2.74 MB昨今、ハウス栽培が盛んな中で、『つばめ農園』の特徴はなんといっても完全露地栽培!年間を通して30種類ほどの野菜を全て大自然の畑で栽培しています。今の季節はラディッシュ、ほうれん草、カラフル人参、紫キャベツ、バジルなどを栽培。夏になると、ピーマン、茄子、枝豆などの季節に応じての種類を豊富に育てるとのことで、露地で太陽の光をたっぷり浴びて育つ夏野菜への切り替わりもたのしみです。
つばめさん.jpg 1.73 MB「これだけ種類が豊富だと、それぞれ育て方も違って大変ではないですか?」と尋ねると「育てるタイミングは難しいですが、まずは色々やってみたいんです!」と。また一番のこだわりは「出来る限り自然に近い環境で育てたい」という強い想いも。天候の影響をダイレクトに受ける露地栽培は、手間も技術も必要。『つばめ農園』では、高畦(たかうね)にして排水対策を徹底。虫による多少の被害はあっても「それ以上に無農薬でお客さまに届ける安心・安全を一番に考えたい」という熱い想いが。また土づくりにもこだわり、有機肥料として糸島ならではの牡蠣殻や、鶏フン、米ぬかなどを使用。自然の力に任せた土づくりと栽培方法でのびのびと育つ野菜は、きっと素材本来の「甘み」がぎゅっと詰まっているはずです。

最後に伺ったのが糸島で素敵なお花を栽培・販売している『ここのき』へ。
糸島市前原にある『糸島くらし×ここのき』という、糸島生まれの食品・雑貨を集めたセレクトショップに、『ここのき』の素敵なお花が販売されています。
店内ここのき.jpg 1.98 MB今回は、そのお花を育てている畑に案内していただきました。車で山のうえに登ること数十分。お花を育てる畑と聞いていた私たちは平地を想像していましたが、予想を遥かに超えた山の上の、鳥のさえずりが聴こえる空気がおいしい場所に畑はありました。
店主の村上さんに、この場所でお花を育て始めたきっかけをお伺いしました。村上さんはなにかモノづくりがしたいと18年前に糸島へきて、山の上のこの場所に家を建て始めたのがきっかけ。目の前の敷地が荒れていたのでなにかできないかなと思い、他の人の土地だったところを譲りうけ、子供のころから好きだったお花をここで育て始めることにしたのだとか。
ここのき山.png 2.39 MBいまは、ヘーゼルナッツの木、アカシア、ミモザ、ピンクペッパーの木、などなど珍しい植物が育っています。
ある程度植木鉢で育てて大きくなってから、この広大な畑に植え付けるという流れなんだそう。こんな大自然の中で鳥のさえずりとおいしい空気をたっぷり吸って育った植物たちは『糸島くらし×ここのき』で販売されており、どれも可愛らしく生き生きと、凛とした存在感を放っています。村上さんの愛情をいっぱいに受けた植物たちが、糸島の暮らしにそっと彩りを添えて、日常を優しく癒しているのだと思うとなんだかこちらも温かい気持ちになりました。

今回もまた糸島で新たな出会いがありお話を伺うなかで、この「おいしい」「癒し」というモノの背景には、つくり手みなさんの沢山の見えない努力と素晴らしい工夫があることを知ることができました。
私も食を扱う者として、つくり手それぞれの想いが詰まっていることを知ったうえで店頭に立ち、今度は私たちがつくり手の想いとそこで抱いた感動を商品に乗せて、皆さまへ届けなければと改めて感じさせられました。

PPFらうんど.JPG 2.56 MBBK集合.JPG 2.14 MB6月の福岡店と博多店では、そんな糸島の旬の食材をふんだんに使ったお料理やベーカリー、加工品などが店頭に並びます。今回出会ったつくり手の食材を使って、シェフがとても素敵な商品を考案してくれました。実際にお話をきいて学んだこと、つくり手のたくさんの想いを1ヶ月間大切にお客様に届けていきます。皆さま、ぜひお店にお立ち寄りください!

また6月中旬には、採れたての糸島野菜や加工品が天神駅チカでお買いものができるマルシェを開催。直接つくり手に食材のお話を聞ける貴重な機会ですので、ぜひ福岡へお越しの際は、糸島のお気に入りを見つけにきてください。

「ITOSHIMA Marches d'été」
開催日時:6月20日(土)、21日(日)    各日11:00-17:00
開催店舗:DEAN & DELUCA福岡店
20日出展予定アーティザン: 泉屋六治 / MURA FARM / かわぞえ農園 / どんたく農園 / ここのき
21日出展予定アーティザン: 泉屋六治 / ナガミツファーム / いとゆたか農園 / つばめ農園 / 徳栄丸
※詳細はスタッフまでおたずねください。


おまけに…
福岡店でもお世話になっている『ミツル醤油醸造元』の店舗にお邪魔しました。糸島市二丈深江にある大正期から続く歴史ある醤油蔵なのですが、新商品の「生成りオレンジ」が気になる… ということで試飲させていただけることに。色は明るく薄めですが、試飲してみるとしっかりとした旨みが口いっぱいに広がります。醤油とは別物で、まろやかな魚醤のような味わい。全員で試飲しながら、オイルと混ぜてドレッシングにしたい!和食全般に使えるよね!パスタにもいいかも!などアイデアが飛び交いました。和洋中問わずお料理全般に活用できるので、糸島のお土産におすすめです。

醤油.jpg 1.39 MB