こんにちは、DEAN & DELUCA福岡店マネージャーの東です。6月と言えどすでに毎日暑い日が続いていますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
さて、福岡店と博多店の7月のテーマは長崎県。長崎には多くの有名な地域がありますが、今回は諫早・大村の地域においしい食材を探しに行ってきましたのでそのレポートをお送りいたします。もう何度か長崎県へ視察に向かったことはありますが… あの有名な歌の通り、今回も雨降る長崎への旅となりました。

そんな雨の中、最初に向かったのは大村湾のすぐそばにある『チョーコー醤油』。川に囲まれた工場のわんぱくな壁画が遠くからでも目立っています。
ちょーこー.JPG 2.76 MB1947年創業以来、和食の原点である醤油・味噌の伝統的な醸造技術を大切に守り、地元に根付いた醤油や味噌、調味料をつくる『チョーコー醤油』は、福岡店の九州マーケットでもお馴染みのつくり手。いつかは訪ねてみたいと思っていたのでたのしみにしていました。
はじめに大きな会議室で醤油ができあがり食卓にあがるまでの全体の工程を動画で見て、実際の大豆と小麦の割合などを分かりやすく説明していただき、いよいよ工場の中を見学。残念ながら工場内は撮影禁止。しっかりと頭に焼き付けて学びに集中です。
会議室.JPG 1.82 MB『チョーコー醤油』の醤油づくりでは、脱脂大豆を使わず丸大豆のみを使うこだわりがあります。グリセリンが豊富な丸大豆を100%使用しているので、豊かなコクとまろやかな味わい。また業界に先駆けて、有機栽培の原料を使った商品づくりに取り組み、無添加での醤油や味噌づくりのこだわりも。

まずは蒸す工程。大型トラックで運ばれてくる大豆は大きなステンレスタンクで1日水につけて、蒸され、合わせていく小麦はベルトコンベアのような機械で炒っていきます。蒸した大豆と小麦、そして麹菌を大きなベルトコンベアで混ぜ合わせて。
混ぜたものは2階建ての大きな部屋に閉じ込められます。冷蔵庫と逆の役割をしている製麴装置があり、温度、湿度が高い状態を保っていきます。2階に大豆を入れ、1階は空洞で風が出てくるシステム。温度が高くなりすぎると焦げてしまうため下から風をあてて麹を冷ましていきます。その勢いはなんとドアが勢いよく開くほど!出来上がったら屋外にあるもろみ専用のタンクに入れられます。
工場.jpg 1.77 MB外に出て見てみるとビルほどの高さのタンクが何本も… 12万リットル入るものが6本、スーパーステンレス(錆びにくい)でつくられた9万リットル入るタンクが24本、その他にFRP(繊維強化プラスチック)でつくられたタンクが30本… どれも単位が大きすぎて「すごい!!」という言葉しか出てきませんでした。 その中に冷やされたもろみが入れられ、その次は圧搾の作業場へ。

もろみを400mもある長いろ布で挟みつつ折りたたんで生醤油が絞られ、重りをのせて更に絞ります。ろ布を3段に重ね、絞っては1番上をすくって、絞って、すくってを繰り返していきます。最後の段階になると大豆油だけが出てきて、この油は石鹸に加工して再利用します。ここまで絞るのに約3日間もかかるという時間をじっくりかけた工程。そして、ここで最後に残るのが醤油粕。以前までは破棄していたけど、現在では牛の餌に混ぜて食べさせ、お肉を柔らかくするのに役立てているのだそうです。
商品&集合写真.png 1.92 MBそしてもうひとつ驚いたのが、仕上がった商品の充填や箱詰めも含めて全てオートメーション化しているので、作業場にはほぼ人がいないのです。完成した商品たちも全自動で箱詰めされ、私たちがお店で扱っている姿になっていきます。その商品達は2,184枚もあるパレット(箱を載せておく板)で管理されおり、そのパレットにはそれぞれにアドレスがついていて、全て全自動で出し入れができます。商品100万本くらいは収納できて、何も追加製造をしなければ、保管倉庫は1ヶ月くらいで空になってしまうのだとか。『チョーコー醤油』の人気を改めて垣間見たと同時に、環境改善、新鋭設備への取り組み、SDGsへの果敢的な挑戦のお話に度々感動しました。

今まで色々な醤油蔵へと視察に行かせていただきましたが、手作業で蒸したり炒ったり混ぜたりするところもあれば、今回のようにほぼ自動化されているところもあり… 手作業の難しさも学びましたが、大きな製造拠点を管理する大変さも知ることができました。

次に向かったのは九州で栽培?!と行く前に全員が驚いた『ヤマトバニラビーンズ』へ。
バニラ.JPG 3.13 MB早速ハウスの中を見せてもらうと1株ずつ箱に入ったバニラビーンズがずらりと。現地ではジャングルみたいな場所で栽培しているそうですが、日本での栽培を考えたら、日当たりを角度でかえたり、病気になった株も箱を分けることで他の株にうつらなかったりと、箱に入っている方が条件に適しているのだそう。
1年で10mくらい蔓が伸びるため、収穫が終わったら蔓を下に動かし、新しく伸びた枝を上に持ってきて、下に動かしたものからまた根が伸びて… とどんどん伸ばしていくサイクルで栽培しています。
受粉.JPG 1.79 MBバニラビーンズは蔓性のランの仲間で、花を咲かせたら花を手で割いて花粉をとり、めしべの中にいれて人工交配をさせ実にして育てていきます。ひとつずつ手で受粉させるのは果てしない作業ですが、丁寧に手をかけ花の軸の部分を実に育てます。花の中に入れる程の小さい蜂がいないので、手で人工交配させるしかないのだとか。
交配させて9ヶ月くらいは放置。その後収穫して、そこから加工を半年かけて行うので、製品になるまでは全部で1年半くらいかかります。バニラビーンズは植え付けして3~4年は葉をつけないそうですが、大手企業と共同研究をし、1年半で葉が付くようにして産業になるよう工夫したそうです。
実を100キロ収穫して、製品になるのは25キロくらい。見たことある黒い段階まで加工するのは乾燥させたうえでさらに加工が必要。バニラビーンズの実の中にはバニリンという成分があり、そこにグルコース(糖)が融合して、グルコバニリンという物質になりそれが実の中に蓄えられます。実はこのグルコバニリンは無臭で全く香りがしないため、ここから加工を行うことで甘みと香りをだして、やっと販売できる製品になります。
6ヶ月かけて乾燥させていきますが、ただ乾燥させるだけでは香りや風味が出ず、更なる乾燥・加工の研究が行われているそうですが、それを個人でやるのはとても大変… この研究は大手企業にお任せしているそうです。
❸さや.JPG 2.42 MB「胡蝶蘭をつくっていたので同じラン化の物をつくろうと思った」とバニラビーンズを育てるきっかけを教えていただきました。ブドウもつくっていたので肥料や土などの知識もありチャレンジしてみようと思ったのだそう。商業的に難しいので産業にしている人は国内ではまだまだ少なく、研究などする為に趣味でつくっている人がほとんどだとか。
ただ、野菜や果樹と違って加工してつくってしまえば品質は2年くらいもち、重さも軽いので輸送もしやすく管理面では好商品。ただ、何といってもひとつ条件が変わるだけで販売できなくなるほど加工が難しいのでやはり産業にするのはまだまだ苦労が絶えないとお話されていました。
国内で栽培するメリットとしては、乾燥が進みすぎない生の状態に近い状態で卸せるため、バニラ自体を微塵切りして、さやも柔らかいのでそのままクリームに混ぜて使ったり、タネもプチプチ感が強いのでそのまま食感を残して使ったりとシェフのみなさまからすると用途が格段に広がるのだそうです。
今年3月に加工が終わった商品を販売開始するとなんと30分で完売!
それでも消費者からのフィードバックを受けて加工のやり方を変え工夫を繰り返しているという、研究を続けていく姿勢にただただ脱帽でした。
「さやは何度でも使えるので砂糖のビンなどに入れておくと香りがうつってバニラシュガーになりますよ」というお土産話といただいたさやを握って香りをたのしみつつ、次の場所へと向かいました。

さてお次は、諫早市小長井にある『増山農園』へ。昨年の長崎プロモーションでもたくさんのゴーヤを使わせてもらい、ご挨拶も兼ねて畑を見せていただきました。
⑦ラディッシュ.jpg 1012.88 KB少量多品目をひとりでつくられていて「つくってみたい!食べたい!」と思ったものは何でもつくってみているそう。ゴーヤ、モロヘイヤ、ラディッシュ、いんげん、ケール、カリフローレ、カリフラワー、ナス、ピーマン、リーフレタスなどなど、15〜17種類を栽培しています。次々と出てくるお野菜の種類の多さにびっくりしているとハウスの中で一際大きく育った葉を発見。
ケール.png 2.25 MB「これケールですよ」と言われて全員びっくり!私たちが知っている土から生えているケールではなく、立派な茎が腰の高さまで伸び、そこからケールの葉がこれでもかと伸びていました。「知っているケールと違う!」「面白い…」と全員驚いている間に増山さんがバキバキバキッ!!と勢いよくケールを引きちぎり、これまたびっくり!品種によっても違うとのことですが、栽培の面白さを知ることができました。

『増山農園』があるこの場所は、2000年前は海底だった土地。今でも土を深く掘ると貝殻が出てきたりすることもあるそうで、それも作物の栄養分になっています。そんなお話を聞きながら、最後に農園の裏手を進んだところにある「小長井のオガタマノキ」を見せていただきました。
⑪大木.jpg 3.18 MB「小長井のオガタマノキ」は日本一の巨木と言われており、実際に見てみると本当に大きい…!人が何人乗ってもびくともしなさそうな大きな木がそびえたっていました。
早春になると可愛らしい小さな白い花をつけるそうで、その時期は多くの観光客が足を運ぶためとても賑やかになるそうです。

PPF集合.JPG 2.49 MBPKF集合.JPG 3.51 MB今回もおいしいがたくさん詰まった長崎への視察。海の幸山の幸、伝統品や職人こだわりの加工品までその土地でそれぞれの分野で多くの人においしいものを届けようと熱い想いを持ったつくり手に出会えた素敵な旅となりました。
そんな長崎のおいしい!に感化されて、魅力たっぷりの商品が沢山揃った7月の福岡店・博多店にぜひ遊びにきてください。

そして福岡店では夏休みに合わせて、レストランのメニューにひんやりと風情感じる「こおりや」が登場します。ぜひお近くにお寄りの際はご来店お待ちしています。
桃こおり.JPG 1.66 MB

ひんやりと旬を味わう、期間限定メニュー「こおりや」
開催日時:2026年7月11日(土)~7月26日(日)15:00-21:00
開催店舗:DEAN & DELUCA福岡マーケットテーブル
メニュー:「赤司農園桃のこおり」¥1,540(税込)「高木茶園抹茶のこおり」¥1,430(税込)「KAWAKATSU FARMあまおうのこおり」¥1,430(税込)