こんにちは。DEAN & DELUCA 博多店の髙森です。
熊本地震により被災されたみなさま、ご家族のみなさまに心よりお見舞い申し上げます。今なお不安やご不便の中で日々を過ごされているみなさまの安全と一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

さて、9月の福岡エリアのテーマは「HIGO JOURNEY」 熊本のうまいもんを探して、7月某日に熊本県に行ってきましたので、その様子をレポートします。
早朝からジリジリと照りつける日差しの中、車に乗り込み熊本の県北地域へ向けて出発しました。懐メロが流れる車に揺られながら、今日はどんな食材に出会えるのだろうかとワクワク。さぁ、食材探しの旅の始まりです。
まずは、山鹿市菊鹿町にある栗農家『山品農園』を訪ねました。
栗ばやし.JPG 4.88 MB熊本県の栗の生産量は茨城県に次ぐ全国第2位!熊本県ではたくさんの栗が生産されています。中でも、山鹿市は県内第1位の生産量を誇ります。
山の上にある栗園までは私たちが乗ってきた車では危ないということで!? 山品さんの軽トラックと軽自動車に分かれて同乗して向かいました。車1台がやっと通れるほどの竹林の山道を抜けた先はさらに狭く、道路の片側は急斜面!緊張から自然と背筋が伸び無口になる私たちに対し、車は慣れた感じで細い山道をガンガン登っていきます。頂上付近にバリケードがありました。イノシシなどから栗を守るための柵です。柵を開けて中に入ると視界が開け、一面の栗の木が広がりました。
くり.JPG 3.97 MB青い空と青々と茂った栗の木。その木にはまだ若い毬栗(イガグリ)が実っています。
色のコントラストがとても鮮やかで、目の前に広がる景色からは栗の木が持つ生命力を強く感じました。広大な栗畑では、5種類の品種を約800本育てているそうです。
今年は天候の影響で収穫量が2/3程になる見込みとおっしゃっていましたが、それでも収穫を待つ毬栗がたくさん実っていました。お盆明けから収穫が始まり9~10月は最盛期、自然に落ちた毬栗を1つ1つ火ハサミで拾い、コンテナいっぱいに詰めた栗は毬剥きをした後に洗浄と選別を行います。
収穫の時期は娘さんがお手伝いに来られるとのことでしたが、いつもは85歳と83歳のご夫婦で管理されていると聞いて驚きです。
山品さん.JPG 3.41 MBかま.JPG 4.12 MB収穫以外にも、木の剪定(何もしなければ、背が伸び台風の被害も受けやすい)、堆肥をまいたり、乗用草刈り機で整備したり、木には寿命があるので次の木を育てたり… と計画的に、且つ効率も考えて管理されているお話、また別の場所で樫の木を木炭にしているお話(人が入れるほどの大きな窯も手づくり!?)とたくさんの工夫やこだわりを紹介してもらいました。さらに菊池川漁協のパトロールもされているそうで、本当にパワフルな山品さんに圧倒されっぱなしの時間でした。

次に向かったのは熊本市北区にある『髙森農場』
もりんこ事務所.JPG 4.2 MB国道から一本中に入ると、緑屋根の豚舎が見えてきます。農場では、豚の繁殖から肥育までを一貫して行い、ブランド豚「くまもと杜の豚」を生産されています。防疫の面で豚舎内に入れませんでしたが、事務所で農場についてのお話や、これからの取り組みについてお伺いしました。
片手に乗るほど小さく生まれる子豚は、母乳から育ち、母親から離れた子豚は成長に合わせた餌や過ごす部屋を変えながら、約半年を農場で過ごします。そして、スタッフは成長段階によって担当が分かれており、温度や湿度に気を配り、また豚たちの様子を日々観察する中で「気づき」を大事にし、少しの変化も見逃さないように育てているそうです。
髙森家と.JPG 3.19 MB病気を防ぐための農場内外の防疫、週管理の仕組み、スタッフの方が無理なく作業できる環境づくり、妥協なく厳しい目を大切にすることが結果として安定して健やかに育てることに繋がっているのだと感じました。
また、養豚から出るものを堆肥として地域の農家へ提供し、地域の中で循環させること。豚を育てることだけで完結するのではなく、他のつくり手や地域の食に繋がっていく「食のつながり」のお話がとても印象に残りました。

ここでお昼タイム。お昼ごはんで訪れたのは、古民家を改装した食事処『めか田』
まるで親戚の家に遊びにきたような懐かしさがあって、座敷でほっと一息つきながら定食をいただきました。
定食&パン屋.png 1.87 MBお腹を満たしたはずですが、続いて向かったのは『konatsumugi』
白い建物と花壇やブランコがある庭が素敵なやさしい雰囲気のパン屋さん。有名な明太バゲットは、外側は香ばしく中は程よくもっちりした生地に、明太の旨みがしっかり広がる食感も風味も満足感のある一本でした。
地域の農家や飲食店との繋がりを大切にされていて店内では農産物の販売も。今度は焼き立てが並ぶ時間に訪問チャレンジするぞ!
どーむ.jpg 1.64 MBそして、道の駅『七城メロンドーム』に。名前の通り、大きなメロンの形をした建物が有名な道の駅です。
地元で採れた立派なメロンをはじめ、野菜、果物、米、加工品が揃っていて、県内外から連日多くのお客様で賑わっています。私たちは「ここに来たからにはこれでしょ!」とメロンジュースを注文。火照ったカラダに甘くて香りのよいひんやりフレッシュメロンが染みわたります。「本場特産のメロンのおいしさは格別すぎる!」名物のメロンパンは完売…    またもや次回のチャレンジ案件が増えました(笑)

最後に訪問したのは、北区植木町『吉次園』へ。
『吉次園』は、いちご、ぶどう、りんご、みかん、梨など、ほぼ1年中フルーツ狩りがたのしめる観光農園。敷地内には直売所や果物を使ったドリンクやソフトクリームがたのしめるカフェも併設されています。
ぶどう.JPG 4.09 MB社長の前田さんに、広大な農園を案内していただきました。
直売所から少し坂を登っていくとハウスがたくさん立ち並んでいます。50年ほど前に山を開墾したそうで、元々はみかんづくりから始められたそうです。
現在、ぶどう畑だけでもなんと18か所!「シャインマスカット」の他に「瀬戸ジャイアンツ」「ロザリオビアンコ」などの聞きなれない品種をたくさん栽培されています。ハウスの中には、大粒でパンパンと実ったぶどうや小粒でたくさん実がついた房のサイズが手のひらより大きいもの、贈答用の品種には隙間なく実がぎっしり詰まっていてどれも瑞々しくとてもおいしそう。
前田さん.JPG 4.69 MB貴重リンゴ.JPG 4.77 MB品種によって栽培方法や手入れの仕方が異なること、割れの問題、イノシシなどの野生動物や害虫の被害に悩まされているそうで、鳥よけとして鷹型の大きな凧や、定期的に流れるヤマネコの鳴き声、害虫対策として波長や電波を利用した設備を導入するなど、栽培や管理のご苦労や大変な工夫に頭が下がるばかりでした。
時代の変化とともに人気品種も変わり、以前に比べて「巨峰」は減ってきているそうで、品種を選定しながら新しい品種を取り入れ、なかには木ごと切り落とす品種もあるとか。「切る品種も出るけど、お客さんがついているから1本だけ残しているんですよ」と前田さんの優しさが垣間みえました。
そして、事務所で「シャインマスカットA」を絞った100%ジュースをいただきました。皮ごと絞っているから独特なトロッと濃厚な口当たりがクセになる贅沢な味わいで、シェフもおいしさについつい唸るほどでした。

熊本の県北を巡る今回の視察で感じたのは、阿蘇の火山活動によって生まれた豊かな土壌と豊富な地下水や河川など水に恵まれた、この土地ならではの恵み。それぞれの土地の環境を生かしながらよりよいものを育てようとしているつくり手の想いにも触れることができ、みなさまにもこの感動を味わっていただきたいと思いました。

PPFしゃふ.JPG 1.88 MBBK.JPG 1.7 MB9月は、そんな熊本のおいしい食材をふんだんに使用したお料理やベーカリー、そしてこだわりの加工品をお届けします。つくり手の想いを受け取り、実際に感じたことや学んだことを丁寧にお伝えしていきます。
皆さまの「おいしい」が、復興へ向かう力につながりますように。
お近くに寄られた際は、ぜひ両店にお越しくださいませ。

「TASTES OF KUMAMOTO
熊本復興応援チャリティーランチ」
令和8年熊本地震の被災地支援を目的にチャリティーランチを開催。熊本県八代市出身であるDEAN & DELUCA エグゼクティブシェフ 境 哲也監修のもと、地元熊本のおいしい食材をふんだんに使用したひと皿をお届けします。
※イベント収益の一部は、熊本市へ義援金として寄付いたします。
開催期間:2026年9月16日(月)~10月4日(日)
開催時間:11:00 - 15:00
開催店舗:DEAN & DELUCA 福岡店 マーケットテーブル
※詳細はスタッフまでお尋ねください。