こんにちは、DEAN & DELUCA福岡エリアの宮崎です。今年の梅雨明けもやっぱり早いのでしょうね… 毎日蒸し暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。さてさて、福岡店と博多店の7月のテーマは長崎県。
修学旅行でもお馴染み「グラバー園」や「長崎新地中華街」「大浦天主堂」「オランダ坂」そして「ハウステンボス」。異国の文化を受け入れながら海外との交流の窓口として栄えてきた歴史・文化があり、美しい自然と観光資源に恵まれた長崎。そして忘れちゃならんのが、食の宝庫であるということ。山岳や丘陵にたくさんの美しい島々と海岸線をみれば、おいしい海の幸や山の幸があるにきまっとろーもん!と、私たちは目をキラキラと光らせながら、うまいもんと歴史の息吹を求めての長崎の食旅へ向かいました。

「あ〜あ〜、長崎は〜、今日も雨だったぁぁ〜」という歌のとおり(世代⁈笑)見事にこの日も雨。確か以前訪れた時も雨だった、そんなことを思い出しながら久しぶりに長崎市内へ。ギュッと詰まったレトロな建物や石畳、その街並みの中を走る路面電車。なぜか雨がノスタルジックを感じさせ、海外にきたような雰囲気が漂います。
そんな中、まずは歴史と重厚感のある老舗店舗『角煮屋 こじま』と『からすみ 高野屋』へ。
角煮や&からすみ.png 648.37 KB明治から受け継がれている伝統ある『角煮屋 こじま』の角煮は、トロっとやわらかな脂身とホロホロとほぐれるジューシーな赤身のバランスが絶妙!なんといっても創業以来継ぎ足してつくられた秘伝のタレは味わい深くばりうま。これはこれはと出来立ての「角煮まん」をその場で頬張り、「角煮ちまき」や「角煮めしの素」デミグラス仕上げの「フレンチ風角煮」など一気にカゴの中へ。
そして、『からすみ 高野屋』では立派で輝かしい「長崎からすみ」がずらっと鎮座。製造工程が壁にぎっしりと、ただ空気は上品でスンとした緊張感。それもそのはず創業340年の歴史の重みが物語る店内と木箱入りの国産からすみがギラっと光っています。このからすみたちの製造工程は歴代継承された技と経験、一子相伝の技法というから食べずにはいられない。シェフのお財布にも優しい「国産からすみ切れ子」を購入(笑)、他にも加工品として「からすみほぐし瓶」や「からすみ茶漬け」などパスタやサラダに使いやすいアイテムも揃っていました。
(※『角煮屋 こじま』角煮60g ¥648(税込)は、福岡店と博多店の九州マーケットにて販売しています。)

石畳.JPG 3.45 MBおっと、忘れちゃいけない!ベーカリーシェフからの絶対のお願い「ハトシ」を買わなければ… ハトシ風のパンを開発?これは乞うご期待です。

雨もようやく上がり、お待ちかねのランチ。長崎と言えば「ちゃんぽん」や「トルコライス」「茶碗蒸し」に「レモンステーキ」とありますが、今回は「おじや」を選択!
123&おじや.png 714 KB創業明治29年の郷土料理のお店『一二三亭』の名物は、ごまとねぎたっぷりのおじや。椀一杯に満たされたふわふわなタマゴ、出汁の旨みで膨らんでいるご飯粒。三度炊きの手間とこだわりのあるおじやは、今まで食べたおじやの概念を打ち崩すほどの味わい。なめらかでしっとりした食感に「はぁ〜」っとほっこり、しみじみと長崎の歴史が胃の中にまで伝わりました。
お腹を満たした後は、長崎港に隣接する『中嶋屋本店』へ向かいました。
ago.JPG 1.82 MB長崎県は煮干しの生産量が全国1位で、アジ・サバ・イワシといった青魚も豊富に獲れるという恵まれた地域なだけに魚の旨みがダイレクトな加工品がたくさん。九州マーケットでもお馴染みで、今回の長崎旅の大本命『中嶋屋本店』では、削り節や煮干しをはじめ、天然素材のみを使用した無添加の出汁パックを製造しています。
まだ工場に踏み入れる前の、駐車場の段階でカツオ節?出汁?の香りが… もうたまらんと!芳しい香りを纏いながら先ずは事務所にて本部長からのお話を。長崎の今昔、まちの移り変わりから真摯にお話しいただき、原料と商品の資料と共に多様化する食文化において、用途に応じての節や出汁の在り方を丁寧に教わりました。
「本枯節って、手間と時間がかかり生産量が少ない高級なイメージがあるでしょ?高級だから一番においしいってわけではないんですよ。それぞれの料理に合わせて、その特徴にあったカツオ節や出汁を使い分けること。昆布やいりこ、飛魚(あご)だって同じです。地域の伝統や郷土料理にはその土地ならではの出汁があるように、全ての素材にこだわりがあるんですよ」
全国の出汁マトリックス、地域のうどんやラーメンといった身近な食に例えて分かりやすく説明いただき、一同納得!多種多様な節や出汁のことをより追求したくなりました。
カツオ節&部長.png 673.24 KB早速、工場へ。たくさんの部屋に分かれていて、材料の貯蔵庫・選別室・加工(削り)室・レーダー探知機・梱包等々衛生管理も徹底されていて、入室するにも規制があり、常に安心安全でより良い商品を提供するためにきめ細やかな気遣いがされているのだと感じられました。素材にもたくさんのこだわりが伝わってきて、カツオ節はもちろんのことサバやいりこなど様々な種類、同じ種類でも産地によって、製造法によって風味や肉質が違うものなど、特徴ある香りと共に奥深さを感じまくりました。日本の自慢できる食文化「DASHI!BUSHI!」ばりアツです!
(※『中嶋屋本店』出汁パックや焼きあご等々、福岡店と博多店の九州マーケットにて販売しています。)

さぁ、全身が出汁の香りに包まれて、最後に向かったのは『長崎県央農業協同組合』へ。なぜかというと、諫早特産のアスパラガスを食べたい。というシェフの思いから、諫早でアスパラガスを栽培する農家さんへ案内していただきました。
アスパラ畑.JPG 2.59 MB諫早は、有明海のミネラル分や石灰分をたくさん含んでいるので、アスパラガスにとっては最高の土地なんだとか。特に夏のアスパラガスは暑さという負荷をかけながら栄養をたっぷり蓄え、甘くてジューシーに育ちます。収穫後の夏から秋にかけて土中の養分を根部に蓄え、春先から若芽を出し、その若芽を十分に育てて親となる茎をつくる。驚きの生育の秘密は、その親茎の管理にあるのだそう。
「親茎を強く育てるためには、葉っぱが伸びていた方がいいのでわざと放置することもあるんです。でも、葉っぱが伸びすぎていると、出てくるアスパラガスの色合いが悪くなってしまう。その辺りのバランスが難しいんですよね」
猛暑の夏は、50℃を超えるハウスの中で1本1本手作業での出荷、考えるだけでもめまいがしそうですが、あんなにおいしいアスパラガスの背景にはこんなにも手間がかかり苦労がある。そんな中でも、とても笑顔で気さくに自慢のアスパラガスのことを嬉しそうにお話しされ、シェフに「おいしい食べ方、お料理の仕方教えてください」と。
さすがのシェフ、タジタジ。「こんだけ立派なアスパラガスはシンプルにグリルがいいに決まってる」と小声でコソッと(笑)
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車で往復5時間、ギュッと詰め込んだ長崎の食旅も学びだらけのあっという間の1日でした。こんなにも歴史があってその土地の文化や特性があって、そしてこんな素晴らしいこともヒトが創り上げて繋げているんだと改めて感じさせられました。

7月のテーマ「QUAINT NAGASAKI」では、そんな趣のある長崎で刺激を受けたシェフたちが腕を振るいます。今回出会ったつくり手の熱い思いをしっかり受け止め、長崎の魅力をたっぷりと商品にのせて皆さまへお届けしたいと思います。さて、ハトシはどんなふうにアレンジされたか… おたのしみに!
PPF集合.JPG 2.38 MBかき氷.JPG 2.52 MBそして福岡店では夏休みに合わせて、毎年恒例の「こおりや」をオープンします。ぜひお近くにお寄りの際はご来店お待ちしています。

ひんやりと旬を味わう、期間限定ショップ「こおりや」
開催日時:2024年7月13日(土)~7月21日(日)12:00-17:00
開催店舗:DEAN & DELUCA福岡店
メニュー:「赤司農園桃のこおり」¥1,300(税込)「高木茶園抹茶のこおり」¥1,100(税込)「真夏のトロピックなこおり」¥1,100(税込)



おまけに…
途中でバタバタと寄り道した『オルガ・ル・ボン・ボンドーナツ』。 実は最近、福岡の櫛田神社近くに姉妹店ができたんですが、長崎の本店はひと際メルヘンで絶対に行く価値あり!住宅街のとても分かりづらい場所にそびえたつお店は、ここはプロヴァンス?いや、ポルト?といった異空間。しかしながら訪店した13:00には、ドーナツ3個のみ… 残念。店内もキッチンも童話に出てきそうな設えに感動。ぜひぜひ行ってみてください。
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