こんにちは、DEAN & DELUCA博多店の齊藤です。すっかり春めいてきて、桜も咲き始めているところもあるのではないでしょうか。
さて、前回のブログvol.1に続きまして、「北陸と信州」の食旅レポートの続きをご報告したいと思います。というか、本当に詰め詰めのスケジュールでしたので少しずつのご紹介となりますが、私たちの「へぇ~!?」を想像しながらぜひおたのしみください!
【HOKURIKU & SHINNSYU食旅の工程】
〈1日目〉富山県・石川県へ
① 富山県砺波市 センティア「チューリップ⽣産」
② 石川県金沢市 ⾦沢⼤地「有機農業/ワイン製造」コウノトリ⼈⼝巣塔訪問
③ 石川県金沢市 ⾦沢ワイナリー「ワイン醸造所/金沢フレンチ」
↓ 詳しくは、ブログをぜひ
https://lig.deandeluca.co.jp/blogs/cb3f17c2eb17
〈2日目〉長野県へ
① ⼩布施町 農産物直売所(6次産業センター)ろくさん「栗などの農産物/加⼯品/りんご信州⽜/みそ/⽇本酒etc..」
② ⼩布施町 ⼩布施⽜乳「ヨーグルト/⽜乳」
③ ⼩布施町 おぶせファーマーズ「⼩布施町内⽣産者ネットワーク」
④ 中野市 果実企画「無添加ドライフルーツ」
⑤ 上⾼井郡⾼⼭村 信州たかやまワイナリー「ワイン」
⑥ 上⾼井郡⾼⼭村 ⽣ハム⼯房TONYA「⽣ハム」
さて、2日目は生憎の雨。北陸新幹線「はくたか」に飛び乗り、金沢から長野へ向かいました。
最初に訪問したのは小布施町にある『農産物直売所』へ。長野県小布施町は、同県内で最も面積の小さい自治体でありながら、年間約100万人が訪れる観光地。水捌けの良い扇状地に位置し、「葛飾北斎」や「小林一茶」が訪れた歴史がある地域なのです。小布施と言えば「栗」が有名ですよね!でも栗だけではないんです。今回は、小布施のうまいもんの代表的なつくり手が私たちのために集まっていただき、様々な特産物をご紹介いただきました。
『浅岡牧場』では、約600頭の黒毛和牛を育て、霜降りだけでなくオレイン酸に注目し、脂の質を高めた「りんご和牛」を生産。餌にりんごを取り入れることで、味の差別化を。吉川シェフがその場で調理してくれましたが、すごい!脂身が口の中で程よく溶けて美味確定。次に創業200年以上もの伝統ある酒蔵『松葉屋』。中硬水の地下水を活かし、大きな和釜で蒸した酒米を使ってつくった古酒のおいしさは格別。熟成には時間がかかりますが、約10年で味が完成。山廃に似た奥深い味わいにうっとりしました。
『穀平みそ』は、1784年創業の老舗で、国産原料と天然醸造にこだわっています。米麹の割合によって甘みが変わり、時間をかけた熟成で何とも深い味わいを生み出していました。
また、『小布施町振興校舎』では、多様な果物を活かした取り組みが行われ、ブラムリーアップルやさくらんぼのPR、小布施栗のペーストづくりなど、地域資源の活用と食品ロス削減の取り組みが地域全体で進められ、特産物の付加価値がしっかり現れ出ていました。小布施町は、小さな規模ながらも歴史と食の工夫によって高い価値を生み出している地域で、そして素敵な方ばかりで感動がいっぱい!
今度は時間をかけて探りに(旅行に)行きたいな、と再訪を心に決めました(笑)
次は、そんな直売所の隣に工場を構える『オブセ牛乳』に。
70年以上の歴史を持つ『オブセ牛乳』は、ロゴもレトロで可愛らしい。80℃で15分かけて殺菌する独自製法が特徴で、一般的な高温短時間殺菌よりも時間をかけることで、コクのある濃厚な味わいに仕上がります。運ばれた生乳を丁寧に処理し、1日約2,500リットルを製造。手間がかかるため大量生産は難しいものの、品質を大切にしたものづくりを続けています。
ヨーグルトは、小布施の果物に合うよう酸味を抑え、とろりとした食感に仕上げられているのが特徴。シンプルながらもコクのある味わいでした。
次に向かったのは、上⾼井郡⾼⼭村の標高650mに位置する『たかやまワイナリー』へ。
ワイナリーに向かう途中から、広大な土地に整備された一面のブドウ畑が。長野県は国内全国有数のワイン産地で、冷涼な気候と多様な四季がぶどう栽培に適しているのだそう。『たかやまワイナリー』がある高山村は、1996年から栽培が始まり、現在では約64haの畑を持つブドウの産地となりました。ワインづくりで最も重要なのは「収穫のタイミング」と「醸造」とのこと。ブドウは実際に食べて状態を見極め、その年ごとの個性に合わせてつくり方を決めているそう。つくり手の考え方や土地(テロワール)によって味わいが変わるのも特徴。そして、醸造所は高低差を活かした設計で、ポンプを使わず重力でワインを移動させるなど、品質を重視した工夫が施されています。冷涼な気候を利用して酒石除去を行うなど、自然の力も活用。こちらでつくられるワインは基本的に日本の食文化に合うよう、クリーンでバランスのよい辛口が中心に。品種にはこだわらず、その年のぶどうの個性を活かした味わいを大切にされていました。
そして最後に向かったのが、標高830mにある雪で覆われたピノ・ノワールの畑が目の前に広がる『生ハム工房TONYA』へ。
ワインぶどう栽培家の佐藤明夫さんが秋田県の工房で修業したのち「ハモンセラーノのおいしさをもっと知ってもらいたい」と、2013年にこの工房を立ち上げました。ここでは、毎年11月から3月にかけて仕込みを行い、年間約350本の生ハムを製造。製法は乾燥と熟成を重ねる伝統的なスタイルで、敢えてカビを付けることでナッツのような香りと深い旨みが引き出されます。1年ほど乾燥させた後、さらに熟成庫で時間をかけて熟成させ、仕上げにカビを落としてラードを塗り、品質を保ちながら風味を整える。通常は1〜2年の熟成ですが、希望により3〜4年の熟成も可能とのこと。豚の脂質によっては長期熟成に向かない場合もあるのだそうです。すべてひとりで作業されており、農業歴35年、ハムづくりは約13年。佐藤さんが手掛けるハモンセラーノは、丁寧な手仕事と時間をかけた熟成によって生まれる、濃く奥行きのある味わいが本当に魅力でした。
今回九州を抜け出し、北陸、そして信州で数多くのつくり手の方々と出会いました。
昨今の温暖化、気候変動、自然災害や技術者不足からの継承問題。どの地域も、どのつくり手も抱える問題や壁は同じですが、悲観的にならず現実を受け止め、それに対してのアイデアやチャレンジ、地域一体となっての変革… 本当に多くの感動と経験、学びをいただきました。つくり手としての誇りと熱い情熱がものすごく伝わってきて、店舗に立つ売り手・つくり手の思いを繋げる担い手として非常に多くの刺激を受けた3日間でした。
みなさん本当にパワーがあり、温かい方々ばかりで、最初から最後まで笑顔でお出迎えいただき、感謝の思いでいっぱいです。そんな今回の視察を通して感じたこと、学んだこと、そしてつくり手の熱い思いを伝えるイベントや商品開発、アイデアを大いに活かして、私たちもしっかりと地域貢献に繋げていきたいと思います。
みなさまも「北陸と信州」へ、ぜひお出かけしてみてください!
おまけに…
中野市『果実企画』がつくるドライフルーツ。ドライなのに瑞々しく、粒が大きく、旨みが凝縮していて、一同「本当にドライなの?」と感嘆するくらいの逸品。福岡店レストランのメニューに登場するそうなのでみなさん、ワイン片手にぜひおたのしみください。

