こんにちは。DEAN & DELUCA 博多店の髙森です。気がつけばもうすぐ6月。今年も早いもので、梅雨の気配が少しずつ近づいてきました。
今回は、おいしい食材を求めて福岡の西に位置する糸島市に行ってきましたので、その様子をレポートいたします。
朝から心地よい日差しに恵まれ、まるで夏のはじまりを感じるような4月某日、私たちはいつものように車に乗り込み糸島へ向けて出発しました。
パン屋.jpg 2.22 MBまずは腹ごしらえ。糸島に行く道中、西区で人気のベーカリー『CONTENUE』にお邪魔しました。
おしゃれな店構えに心躍らせつつ入店すると、食欲をそそる色合いの食事系のパンやかわいらしいフォルムの甘めのパンがずらり!早起きで空腹の私たちはあれも、これもと手が伸びます。焼き立てパンの香ばしいおいしさに旅気分が高まって、さあ改めて糸島へ出発です。

最初の目的地は、JA糸島産直「伊都菜彩」から南に下ったところにある『卯(うさぎ)農園』へ。
ねぎ&うさぎ.png 1.17 MB早速、軽トラックに先導してもらい、畑に向かいました。
海から吹き抜ける風が心地よく、キラキラとまぶしい陽気と遠くから聞こえる鳥のさえずりで、時間の流れがゆるやかになるようなどこか懐かしいような、不思議な感覚に…。
玉葱のぽわぽわとしたかわいい花に蜜蜂が寄ってきます。「蜜蜂は何もしなければ怖くないよ」と三角さん。
そんな優しさや懐かしさが感じられる畑では、農薬や化学肥料、畜糞堆肥に頼らず、できるだけ自然に沿った栽培方法でさまざまな野菜づくりをされています。「野菜も人間と同じ、栄養が足りていなければ体調を崩すし、元気なら病気にもなりにくい」という言葉が印象に残りました。
➋いもと.JPG 4.35 MB大きく育った玉ねぎ、パリッとフレッシュなさやえんどう、艶々でハリのあるにんにく、瑞々しいレタス…どんな料理にしようか、糸島の自然の恵みたっぷりの野菜を目の前にシェフは今日も悩んでいました(笑)
無農薬栽培は手間もかかり、効率がよいとは言えない部分もありますが、バランスのとれた土づくりにこだわり、自然本来の味を大事にしたいという思いにとても共感しました。
山へ.JPG 4.63 MB次に向かったのは、玄界灘に面した志摩芥屋で野菜づくりをされている『糸島どんたく農園』
木のトンネルを抜けて冒険するようにたどり着いた畑で育つのは、スーパーではみかけないような珍しい野菜やハーブ類。こちらでも土づくりからこだわってつくられていてどの野菜も色が濃く、溢れるエネルギーを感じます。
いたぱせ&どんたく.png 1.38 MB珍しい西洋野菜はYouTubeを活用して海外の野菜の育て方や料理法を独学で学ばれているとのこと。柔軟で新しい視点を取り入れられながら、一方で伝統も大事にされています。
紹介されたのは、畑の一角で大事に守り育てられている志摩芥屋で約300年の歴史がある伝統野菜「芥屋かぶ」
自家採種で伝えられ、違う地域に持って行って育てても翌年以降は同じ様に色が出なかったり… 芥屋でしか育たないという芥屋かぶ。地元では酢漬けにするのが一般的ですが、スープやグリルにするのもおすすめだそう。11月頃から収穫が始まり年内採りで終わってしまう旬の短い貴重なかぶなので、今回はお預けですが、また冬に入ったら必ず!
けやかぶ.JPG 4.98 MBそして、ご自宅の庭ではこれから植える苗がポットの中からたくさん芽をだしています。
あれ?と、横に目をやると巣箱が。なんと蜜蜂、その横の小屋には烏骨鶏を飼われていました。どこから質問したらいいのか分からないくらい、有田さんのこだわりと探求心があふれた農園はワクワクが止まらない魅力たっぷりの場所でした。

カズラ&定食.png 1.21 MBここでおたのしみのランチタイム!
糸島は、今年の連続テレビ小説の舞台にもなり、ますます注目を集めています。平日にも関わらず観光客で賑わう海辺、行列ができるおしゃれカフェを通りすぎ、私たちは演歌が似合うような静かな漁港へ。知る人ぞ知る食事処『かずら』は、目の前の西浦漁港でその日に獲れた魚を「煮・焼・揚」の3種で調理して、ご飯と味噌汁、小鉢2種類、お刺身がついた大満足セット。悩んだ末にサバと真鯛とサワラを違う調理法で。あぁ、珠玉のシーフードカレーとか… 絶対おいしいやつやん…
午前中の降り注ぐ日差しを浴びて、ボリュームあるおいしい焼魚と刺身でお腹を満たし、ちょっと睡魔が…海辺に寝転がりたい気分でしたが、先へ進みます。
⑦ウェルカムボード.JPG 2.82 MB次は海から離れ糸島市の中央部、高台にある『かわぞえ農園』へ。
ここでは、「プチぷよ」「フルティカ」「岩塩トマト」などのトマト栽培とトマトを使った加工品をつくられています。
トマトのハウスに入って、びっくり!なんとウェルカムボードをつくって迎えてくれました。
たくさんあるトマトの種類の中で、品種を選び、育て方を模索しながら丁寧にトマトをつくられている話を川添さんに伺いました。
かわぞえ&トマト.png 1.17 MBヤシガラ栽培と、れき耕栽培といったトマトの種類にあわせて最大限においしくなる方法で、時間をかけてゆっくりと育てられていて、糖度8度~12度という甘みが強く皮が薄い、市場になかなか出回らない希少価値が高い品種のトマトをつくりだします。皮が薄く柔らかく、ぷにっとした食感がたのしいプチぷよ。フルティカは果肉がしっかりしています。どちらもおいしく味見させていただきましたが、失敗することもあるそうです。それでも周囲の方に学びながら、少しずつ自分らしいトマトづくりに挑戦したいという前向きな姿勢に心を打たれました。
ウニドス.jpg 855.74 KB最後に駆け足でお邪魔したのはDEAN & DELUCA 福岡エリアでお世話になっている『COFFEE UNIDOS』
カウンターには買い付けたばかりの生豆がたっぷりと。これからオーナーの田中さんの手で丁寧に焙煎され、おいしいコーヒーができるかと思うと、お店に並ぶ日が今からたのしみです。今回は時間がなくゆっくりできませんでしたが、旅の締めくくりにウニドスコーヒーでほっと一息、おいしくいただきました。

PPF集合.JPG 2.83 MBPKF集合.JPG 1.52 MB6月の福岡店と博多店では、そんな糸島の旬の食材を使ったお料理やベーカリー、そしてこだわりの加工品が並びます。海や山に恵まれ、糸島の静かで力強いつくり手の想いがこもった商品を大切に届けていきます。

また、6月中旬には、とれたての糸島野菜や加工品が並ぶマルシェを開催します。つくり手から直接お話を聞けるいい機会です。お近くに寄られた際はぜひお気軽にお越しください。

「ITOSHIMA Marches d'été」
開催日時:6月14日(土)、15日(日)    各日11:00-17:00
開催店舗:DEAN & DELUCA福岡店
出展予定アーティザン  : かわぞえ農園 / John Lemon / ここのき / MURA FARM(14日)/ どんたく農園(14日)/ 庄ちゃん農園(14日)/ 卯農園 (15日)/ ナガミツファーム(15日)