太陽がギラギラと照り付け、沸くように暑い夏。セミの賑やかな声が暑さのヴォルテージをさらに上げます。暑い・・・キリキリに冷えたライトな白ワインが飲みたい・・・!
今月は、そんな日にこそおすすめの涼しい白ワイン、チャコリをご紹介します。

チャコリが生み出されるのは、スペインの北部、ピレネー山脈の西側に位置するバスク州。バスクはフランスとスペインにまたがる地域で、美食の街として有名です。特にスペイン・バスク地方の観光地としても人気の街、「サン・セバスチャン」はミシュランの星付きレストランや個性豊かなバルが多く存在し、世界中のグルメ好きがこぞって訪れるのだとか。

バスク地方のバルに欠かせないワインといえばチャコリ。グラスよりもかなり高い位置から注ぐ「エスカンシア」のパフォーマンスでも人気で、豊かな食文化とともに発展したワインです。微発泡の白ワインが有名ですが、スティルの白やロゼ、赤ワインも存在します。

今回は、スッキリと軽やかな味わいの白のチャコリを、バルっぽくピンチョスを意識したお手軽なおつまみとともにご紹介します。
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マリアージュ①
オイルサーディンとドライトマトのピンチョス風×シャキシャキフルーツ系チャコリ

ワイン|イルスタ/ ゲタリアコ・チャコリーナ・イルスタ
(産地:スペイン、バスク    品種:オンダラビ・スリ、グロ・マンサン)


「オンダラビ・スリ」というのはチャコリの生産に欠かせない代表的なぶどう品種。
もぎたてのリンゴのようなシャキシャキしたフルーツの香り、グレープフルーツの溌溂とした酸味。ほのかにトロピカルフルーツのニュアンス。ぷちぷちと弾ける穏やかな泡は、持続性がありここちよいです。現地ではチャコリをシーフードや甲殻類とあわせる事が多いそうですが、すこし海っぽさを感じるようなミネラル感は間違いなくベストマリアージュ。サーモンとも試しましたが、オイルサーディンが特に相性良しでした。マリアージュシリーズではおなじみのセミドライトマトのオイル漬けを合わせて旨味と甘味をプラス。ワインのフレッシュな酸味が全体を引き立ててくれます。

メニュー|オイルサーディンとドライトマトのピンチョス風
1. バゲットを1㎝くらいにカットし、更にそれを半分にする。軽くトーストする。
2. オイルサーディンとドライトマトを適量のせる。


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マリアージュ②
生ハムとパプリカのピンチョス風×シャキシャキフルーツ系チャコリ

ワイン|イルスタ/ ゲタリアコ・チャコリーナ・イルスタ
(産地:スペイン、バスク    品種:オンダラビ・スリ、グロ・マンサン)

先程と同じワインを、今度は生ハムと合わせます。名古屋店で今月おすすめしているバスク地方の生ハム「ジャンボン・アルデュード」を使用しましたが、手に入らなければハモンセラーノでも。軽く焼いたバゲットにバターを塗って一緒にパプリカの水煮を乗せていただきます。肉厚なパプリカをグリルした後に皮をむいて水煮したもので、開けてすぐに使えるすぐれもの。ジューシーで甘味のあるパプリカに、生ハムの程よい塩味とコクがまざりあう最高のおつまみ。さわやかなチャコリがググっと素材の旨味の輪郭を際立たせてくれます。一口でこんな幸せを味わえるなんて!

メニュー|生ハムとパプリカのピンチョス風
1. バゲットを1㎝くらいにカットし、更にそれを半分にする。軽くトーストする。
2. バゲットに無塩バターを塗り、パプリカの水煮と生ハムを適量のせる。


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マリアージュ③
スパイス×スッキリ系チャコリ
ワイン|アストビサ/ アラバコ・チャコリ・ピル・ピル

(産地:スペイン、バスク    品種:オンダラビ・スリ、オンダラビ・スリ・セラティエ)

クジラの絵が目を引くこちらのチャコリ。チャコリ特有の梨やリンゴ、グレープフルーツのような香りが涼し気です。高い酸度が気分もリフレッシュしてくれるよう。泡は強くなくすぐに液体に溶け込んでいくイメージでパキっとした酸とハーブのようなニュアンスがスパイスを使ったお料理によくあいます。今回はデリコーナーで人気の「ハニーカレーチキンサラダ」を焼いたバゲットに乗せました。スパイスたっぷりのエスニックはもちろん、天ぷらや唐揚げをはじめとする和食など、幅広いジャンルでたのしめるワインです。

さわやかさとフレッシュさが涼を呼ぶ味わいは、もう「チャコリ」というのが夏の季語になってもいいくらい真夏にピッタリ。引き立て役に徹してくれる、食卓の最良のお供。ペアリングに困らないのはうれしいポイントです。みなさまもご自宅でバル気分をたのしんでみてくださいね。