酷暑と言われた夏もようやく終わり。9月になってもまだまだ暑い日が続くとはいえ、時折涼しい風を肌に感じてなんとなくほっと一息つけるような季節の狭間です。
ワインがおいしい季節になってきましたね。
今月は、暑さで疲れた体にもうれしいスパイスたっぷりのアジア料理と、ワインのペアリングをご紹介します。
今回のお料理には、簡単にアジアな食卓をたのしめる便利な万能調味料を2種類使用しました。
「口水醤(コウスイジャン)」
DEAN & DELUCAとREI Chinese restaurant の高島泰弘さんとコラボして作り上げた中華料理の4つの醤のうちのひとつです。ぴりりとした花椒のフレーバーがアクセント。ご家庭でもワンランク上の中華料理をたのしめます。
「ラブパクチー パクチーソース」
生野菜やレモングラスなどのハーブをすりおろす新製法で、マイルドで奥深い味わいに仕上げた万能調味料です。パクチーは原料に入っていないけれどエスニックの定番ハーブパクチーとぴったりの相性。
マリアージュ①
中華のフレーバー×ジューシー軽やか赤ワイン
ワイン| リッカテッラ/ジューシー・ジューン
(産地:オーストラリア、リヴァーランド、品種:グルナッシュ、ネグロアマーロ)
ワインは、オーストラリア・リヴァーランドの「リッカテッラ」。自社畑を所有する栽培家であるアシュリーは、今やオーストラリアの自然派ワインを語る上では欠かせない存在。自由な発想で様々な品種の栽培を手掛けます。今回選んだ「ジューシージューン」は野イチゴやラズベリーのような小粒の赤系果実の香り。色合いは淡く味わいはとてもジューシーでタンニンは控え目ながらボリューム感は程よく感じられます。酸味はフレッシュだけど尖っておらず果実のもつ自然な甘味が心地よく、口水醤の辣油のコクと甘味に寄り添います。
一品目のカプレーゼは、モッツァレラチーズのミルクのコクに中華の要素が加わり旨味の相乗効果が感じられる一品。キュウリの食感とトマトのコクをプラスしてジューシーな赤ワインとのペアリングを引き立てます。いつもと違うカプレーゼで食卓も賑わいます。
二品目はパスタ。ごま油の香り、ネギの辛味、口水醤の花椒の香りといったフレーバーの掛け合せをたのしむ一品。それぞれに主張があるのにお互いを引き立てあう、素晴らしいチームプレー。そこにチャーミングな赤ワインが加わると不思議なまとまりが生まれます。中華風でもたのしめるという発見にパスタの更なる可能性を感じる一品となりました。
メニュー|口水醤のカプレーゼ
【食材/2人前】
Fattoria Bio ボッコンチーニ(モッツァレラチーズ)1袋、きゅうり1本、ミニトマト4つ、口水醤大さじ1、塩適宜
【つくり方】
1. モッツァレラチーズを一口大にカットする。
2. きゅうりは乱切り、ミニトマトはヘタをとって二等分にカットする。
3. 口水醤、塩を適宜、1と2をボウルに入れて和える。
メニュー|タコの中華風ペペロンチーノ
【食材/ 2人前】
ニンニク一かけ、ごま油大さじ1、茹でタコ100g、ネギ1/3本、スパゲッティ200g、醤油小さじ1、口水醤大さじ2
【つくり方】
1. ニンニクを薄くスライスして大さじ1のごま油で香りが出るまで弱火でじっくり火を入れる。
2. スパゲッティを茹でる。水1Lを沸かして塩を10g入れた中にスパゲッティを入れて茹でる。
3. 1の中にスパゲッティの茹で汁を50cc、醤油、口水醤を入れて混ぜ合わせる。
4. 一口大にカットした茹でタコを入れてさっと和える。
5. ネギを斜めに細く切り乗せる。
マリアージュ②
トムヤムクン×コク旨オレンジワイン
ワイン|ラッタ/ エクスニヒロ
(産地:オーストラリア、ヴィクトリア、品種:ピノ・グリ)
2018年にグルメワイントラベラー誌によって「Young Winemaker of the Year」に選出された経験を持つ若手醸造家手掛けるワイン。
(輸入元HP https://www.kp-orchard.com/portfolio/index.cgi?mode=detail&no=000030)
一部7日間のスキンコンタクト(発酵前に果皮を果汁に一定期間漬けること)させたオレンジワインです。洋梨、アカシア、花梨のような香り。クリーンな味わいの中にふくよかさと複雑さを感じ、じわりと広がる旨味が深みを与えます。こんなオレンジワインが飲みたかった!と思わせてくれる一本です。
ラブパクは、刺激的な辛味控えめ、旨味たっぷり。材料を鍋に放り込んで混ぜるだけで、本格的な味わいをたのしめます。ココナッツミルクでまろやかさを加えることでコク旨なオレンジワインとの相性をさらに引き立てます。(レシピは「ラブパク公式note」を参考にしました https://note.com/lovepakusauce/n/naa90afdef288 )
仕上げにライムやレモンを搾る替わりに、ワインを柑橘系のニュアンスがあるものにしてペアリングを完成させるのもありかもしれません。
メニュー|トムヤンムクン
【食材/ 2人前】
エビ 6尾、マッシュルーム 5個、ミニトマト 4個、水400cc、ココナッツミルク 200cc、ラブパクチーソース 大さじ2、パクチー 適量
【つくり方】
1. エビは殻をむき、背わたを取る。マッシュルームは4等分にカット、ミニトマトは半分にカットする。
2. 鍋に水を入れて沸かし、エビ、マッシュルーム、ミニトマトを入れてアクを取り除きながらエビの色が変わり火が通るまで茹でる。
3. ココナッツミルク、ラブパクチーソースを加えて煮立ってきたら火を止める。仕上げにパクチーを乗せ、お好みでライムやレモンを搾って完成。
スパイスたっぷりのアジア料理はとても複雑な味わい。独特のフレーバーを活かすペアリングを研究するのもたのしい時間です。今回ご紹介した中華のジャンやラブパクソースは、おうちに一つあるとお料理のバリエーションが一気に増えてたのしめます。是非おためしください。